2011年7月17日日曜日

現代自動車ハイブリッドカー

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● 現代自動車



朝鮮日報  : 2011/07/17 08:48:25
http://www.chosunonline.com/news/20110717000004

韓国初のハイブリッドカーの開発秘話

今年5月に発売された国内初の中型ガソリン・ハイブリッド・モデル「ソナタ・ハイブリッド」と「K5ハイブリッド」は、多くの「世界記録」を打ち立てた
これらの車種は、それぞれ「ソナタ」と「K5」をベースとしており、時速20キロ以下では電気モーターだけで走行するハイブリッド・システムが搭載された。

これらの車種は、現代・起亜自が独自開発した「並列型ハードタイプ・ハイブリッド・システム」を搭載する。
これは
「トヨタやゼネラルモーターズ(GM)が採用した「複合型システム」に比べて構造がシンプルで、性能も大きく改善されている」
と、現代・起亜自側は説明する。
「並列型」システムはガソリン・エンジンと電気モーターが一つの軸でつながれており、複合型に比べて軽いのが特徴だ。

並列型ハイブリッド技術は、現代・起亜自が世界で初めて開発した技術だ。
トヨタをはじめとするその他のメーカーが採用している複合型ハイブリッドは、大容量のモーターと発電機を必要とする。
それに対し、今回発売された現代・起亜自のハイブリッド車は、
エンジンと、ハイブリッド車専用の6段オートマチックトランスミッション(自動変速機)の間に、30キロワットの小容量モーターを挟み、エンジンとクラッチだけで駆動するように設計
されているのが特徴だ。

「ソナタ・ハイブリッド」と「K5ハイブリッド」には
270V リチウムイオン・ポリマー・バッテリー
が搭載された。
これは、ハードタイプのハイブリッド車としては世界で初めて搭載されたバッテリーだ。
研究員はさまざまな試験と過酷な条件を満たすバッテリーを開発するために、環境条件を季節ごとや地域ごとに分けた後、さらに平均気温、最高気温、最低気温に細分化して、精密調査を行ってきた。

ハイブリッド車に搭載されるバッテリーは、安全性の面で、携帯電話やノートパソコン用のバッテリーとは比較にならない。
いつ起こるかもしれない事故や外部からの衝撃に備え、水に浸したり、壊したり、圧力をかけたり、ぶつけたりと、いろいろなテストを通じて開発した。

ハイブリッド電気自動車モードで走行している間はエンジン音が聞こえなくなる点と関連し、現代・起亜自は歩行者に配慮した架空のエンジンサウンドを開発した。
システム構成、スピーカーの位置、細かい動作についての仕様など、徐々に開発の幅を拡大。
一般人をはじめ視覚障害者の評価にも耳を傾けるなど、完成度を高めていった。
しかし、開発がいよいよ最終段階に差し掛かった2010年8月に、競合メーカーが同等のシステムをオプションで販売すると発表。
「世界初」というタイトルは惜しくも取り損ねてしまった。

ハイブリッド車のエンジン、燃費、制動力など各種の性能テストを行うために何カ国も訪問した。
「死の砂漠」との異名を持つ米国のデス・バレー、幾重にも砂山が連なるオーストラリアの砂漠地帯、マイナス30度が当たり前のカナダ北部のインターナショナル・フォールズ、海抜4500メートルを超える米国デンバーのマウント・エバンスなどで、エンジンや走行に関するテストを行い、全てパスした。

奥地でテストを行う間、研究員たちは多くの困難を経験した。
日中の気温が50度を超す米国デス・バレーでは、エアコン・テストの最中に現代自の研究員が強い紫外線のため、やけどを負い、氷河の国アラスカでは温度差が100度にもなる状況下で皮腐病に悩まされた。
また、暑い地域と寒い地域を行き交ううちに、お気に入りのジーパンが温度差に耐え切れず、穴が開いてしまい、衣類を何着も捨てるはめになった。




朝鮮日報 : 2011/07/17 08:59:57
http://www.chosunonline.com/news/20110717000007

ハイブリッドカー用の部品、国産化率は97%
ベンツも韓国で部品調達、韓国自動車産業の底力

「15年間ハイブリッドカーだけを研究してきました。
トヨタをはじめ解体していない車はないくらいです」

現代・起亜自動車ハイブリッド性能開発チームのパク・クムジン研究員は、社内でも「ハイブリッドカー通」として知られる。
入社以来ずっと、ハイブリッドカーの開発に携わる部署に勤務してきた。
パク研究員は、現代自がハイブリッドカーの開発に本腰を入れ始めた2年前からは休日を返上してハイブリッド・システムの開発に没頭してきた。
同氏は
「自動車部品の中で唯一国産化できず、最後の砦とまで言われたハイブリッド・システムを開発した時には、正直涙が出た」
と語る。

自動車工業協会が今年5月に発表したところによると、2万個に上る自動車部品の国産化の割合は97%に上る。
国産化率の高まりは、日本の大震災により自動車部品の世界的な供給網が崩壊している状況で、大きな強みとなっている。

日本で発生した大震災以降、トヨタや日産、ホンダなど日本の自動車メーカーをはじめ、ゼネラルモーターズ(GM)やフォード、クライスラーなど米国のメーカーまでもが、日本からの部品の調達が大幅に遅れ、工場の稼動を一時中断するなど生産に支障が出た。

しかし、現代・起亜自をはじめとする国内自動車メーカーは、ほとんど被害を受けなかっただけではなく、米国市場で急速にシェアを伸ばしている。
むしろ世界的な自動車メーカーは、一部の部品調達船を韓国に回すため、韓国の部品メーカーを訪問し、事業提携に向けた話し合いを進めた。

自動車部品の国産化の割合が高まったことは、国産化のための政府の力強い政策が一役買っている。
これに、現代自や起亜自、大宇自などの国内自動車メーカーも、コスト削減や技術の国産化に向け、部品メーカーと共に取り組んできた。





部品の国産化は、自動車メーカーにおびただしいコスト削減効果をもたらした。
国産化により値段が大幅に下がった代表的な部品がアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)だ。
現代自などは日本やドイツからABSの装置を1個当たり70万-100万ウォン(約5万2000-7万5000円)で輸入していた。
その後、漢拏グループ傘下の万都が1999年に独自開発に成功したことで、ABSシステムの輸入単価は20%も安くなった。
さらに、同社は 2003年に制動装置である横滑り防止装置(ESC)、09年には電子式ステアリング装置を独自開発し、GMやフォード、プジョーなどに部品を供給し始めた。
現時点で国産化できていない部品は、ディーゼルエンジンに使用するコモンレールシステムなど極めて一部の品目にすぎない。

国産メーカーが手掛ける部品の品質が向上したことで、海外市場への進出も拡大している。
現代モービスは、2009年末からメルセデスベンツの「Sクラス」と「Eクラス」の全車種(140万台)にインテリジェント・バッテリー・センサー(IBS)を納品している。
IBSとは、バッテリーの電流や電圧、温度をリアルタイムに測定し、各種の電気装置を制御する重要な部品だ。
現代モービス・ボディー電子設計第2チームの31人は2007年末、メルセデスベンツの親会社であるダイムラー社から依頼を受け、約2年にわたる懸命な作業の末、2009年10月にIBSの開発に成功した。

しかし、部品産業の国産化の裏側には、依然として暗い部分もある。
部品の国産化率が高まっている一方で、部品の生産に必要とされる核心素材や装備は、いまだに日本やドイツなどに依存している状況だ。

また、研究開発(R&D)投資も十分ではない。
韓国産業研究院が、国内の部品メーカーの中で最優良企業77社を対象に調査した結果、R&Dに年間 10億ウォン(約7500万円)以上を投資しているメーカーはわずか29社にすぎなかった。
2009年の国内自動車メーカーと部品メーカー全体のR&D費は、2兆6000億ウォン(約1950万円/政府研究基金を含む)だった。
これは売り上げ全体(81兆ウォン=約6兆円)の3.2%にすぎない水準だ。

これについて、韓国産業研究院のイ・ハング博士は
「米国の自動車メーカーが、日本から調達する部品の割合を引き下げようとしているが、その注文が韓国ではなくドイツなどに回る可能性もある。
部品メーカーはR&Dへの投資を増やし、さらに一段階飛躍しなければならない」
と強調した。




朝鮮日報 : 2011/07/17 09:07:10
http://www.chosunonline.com/news/20110717000011

「ハイブリッド」技術で疾走する現代モービス
中核部品を一挙に生産、燃料電池車にも適用可能
2012年まで開発人材を2倍に

今年4月に米国で発売された現代「ソナタ・ハイブリッド」の販売台数が、1カ月で468台に上り、ハイブリッド車部門の販売ランキングで一気に10位に浮上した。
また、国内では起亜「K5ハイブリッド」が発売され、各地で試乗イベントが行われるなど、「環境配慮型自動車」時代の幕開けを告げている。

ハイブリッド車は、従来のガソリンエンジンのみで動力を得ていた自動車とは異なり、2つの動力源で動く。現在まで主に使用されている方式は、ガソリンエンジンと電気モーターを結合した方式で、「ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle)」という長い単語の頭文字を取って「HEV」と呼ばれている。

現代モービスは、世界的に経済が低迷した2008年9月、次世代の環境配慮型自動車となるハイブリッド車の中核部品の開発事業への進出を突然宣言した。
「ハイブリッド車に使用される中核部品の開発は今後、事業の中心となる」
との判断から、グループ内の自動車部品メーカーに開発を担当させることで、世界的な競争力を早期に確保するためグループ次元の戦略的決定を下したわけだ。

■ HEVの中核部品、現代モービスが大半を手掛ける

年間12万台規模の生産能力を誇る現代モービスの議旺工場では現在、「ソナタ」と「K5」のHEVモデルに搭載される電気モーターやBPA(バッテリー・パッケージ・アセンブリー)、HPCU(ハイブリッド電力制御装置)などの中核部品を生産している。
電気モーターは従来の一般車のエンジンの役割を担いつつ、純粋な電気自動車としての走行を可能にした。
HPCUはバッテリーや電気モーター、バッテリー制御機能はもちろんのこと、バッテリーの電圧を低電圧に変換する機能などを幅広く備えた統合機能だ。

これらの部品は、ハイブリッド車の専用部品の中でも機能的な寄与度が80%以上を占めるほど重要な部品で、全ての生産工程が独自的な技術で進められている。
現在、議旺工場は「アバンテ」「フォルテ」「ソナタ」「K5」のHEV車種に部品を供給している。

特にこれらの部品は、「ハイブリッド車」だけではなく、世界的にも技術開発競争が盛んな「プラグイン・ハイブリッド車」や「燃料電池車(FCEV)」など、未来の環境配慮型自動車にも使用できるという点が強みだ。
先ごろ
「環境配慮型自動車に使用する電装部品の製造を主力事業とする」
と宣言した現代モービスにとっては、今後の主力アイテムとして成長していくとみられる。

■「ソフト・ハイブリッド」よりも一歩進化した「ハード・ハイブリッド」

現代・起亜自を代表する戦略車種として議旺工場の部品を使用している「ソナタ」と「K5」のHEVモーター駆動方式は、時速40キロまでガソリンエンジンを必要とせず、モーターだけで走行できる「ハード・ハイブリッド」方式だ。

駆動モーターを搭載し、エンジンの補助的役割だけを担う「ソフト・ハイブリッド」よりも一歩進んだ技術で、「プリウス」や「カムリ」など日本のメーカーのハイブリッド車とほぼ同じ方式だ。
モーターだけで単独走行が可能という点が、最大の魅力だ。

■環境配慮型自動車の未来技術の開発に投資

現代モービスのHEV部品を生産する議旺工場は、2008年に設立されて以来、完全な品質管理システムで量産体制を整えてきた。
継続的に投資を行ってきた結果、大量生産が可能となったほか、「環境配慮型自動車」時代の幕開けに合わせて、現代・起亜自の販売競争力の向上にも大きく貢献するものと期待されている。

現代モービスは、議旺工場に多くの期待を寄せている。
プラグイン・ハイブリッド車や電気自動車などの環境配慮型自動車に使用される重要な技術が、同工場に集約されているためだ。
現代モービスは、2012年までにハイブリッド車の中核部品を開発するため、投資額を大幅に増額するほか、研究人材を2倍以上に増やす計画だ。

また、2010年2月に議旺工場の敷地内に設置されたLG化学との合弁会社「HLグリーンパワー」が、環境配慮型自動車に搭載されるリチウム・ポリマー電池の生産を手掛けている。
リチウムイオン・バッテリー部門で世界最高の技術力を誇るLG化学と、自動車などの電装部品で世界的水準の設計・製造技術を有する現代モービスが、優れた技術力を土台にシナジー効果を極大化している。




朝鮮日報 : 2011/07/17 08:43:11
http://www.chosunonline.com/news/20110717000001

ガソリン車も1回の給油で1000キロ走行
ソウル-釜山の往復が可能な車種、相次いで発売
ソナタ・K5 ハイブリッド、1300キロ走行…フォルテ・アバンテなども800-900キロ

1回の給油でソウルから釜山までを往復(800キロ)できる車が相次いで発売されている。
ディーゼル車は1回の給油で1000キロの走行はもはや当然といった状況で、ガソリン車も800キロを軽く突破している。
特に現代・起亜自動車が今月、最大走行距離が1365キロにもなる「K5・ハイブリッド」「ソナタ・ハイブリッド」のガソリン車を発売したのをはじめ、一般のガソリン車も1回の給油で1000キロを走行できる時代が目前に迫っている。

■ガソリン車も夢の1000キロ走行時代へ

10年前までは、普通のガソリン車は1回の給油で約350キロを走行するのがやっとだった。
しかし最近は、燃費が大幅に向上し、1000キロの走行が可能となった。
これは、停止状態でブレーキを踏めばエンジンが止まりブレーキを離せば再びエンジンが掛かるストップ・アンド・ゴー(Stop&Go)システムや、高効率変速機など燃費を改善するための装備が相次いで開発されているためだ。

実際、2006年に発売された「アバンテ 1.6」(自動変速機)は、燃費が1リットル当たり13.8キロにすぎなかった。
燃料タンクの容量は53リットルのため、1回の給油で最大731キロしか走行できなかった。
しかし最近発売された「アバンテ・ブルーセーバー 1.6 GDi」の自動変速機モデルの燃費は1リットル当たり17.5キロ(燃費の向上は27%)に上る。
燃料タンクの容量は従来よりも小さい48リットル。
それでも最大走行距離は840キロにまで伸びた。

現代・起亜自が開発した車種の中で1回の給油で最大走行距離が800キロを超えるガソリン車は、最近発売された「ソナタ」と「K5」のハイブリッドモデル(1365キロ)や「フォルテ・エコプラス」(910キロ)など。
その他のメーカーでは、韓国ゼネラルモーターズ(GM)の「シボレー・クルーズ」(手動変速機モデル/900キロ)、「シボレー・アベオ・セダン」(810キロ)、ルノーサムスンの「SM3 1.6」(手動変速機モデル/978キロ)なども1回の給油でソウルから釜山までの往復が可能だ。




国内で販売されているガソリン車の中で最も燃費が良いとされる現代・起亜自の「モーニング」の手動変速機モデル(燃費は22キロ)と同じく自動変速機モデル(同じく19キロ)は、燃料タンクが35リットルにすぎず、ソウルから釜山までの往復にやや満たない665-770キロの走行となっている。

こうした最近の傾向について、韓国自動車工業協会の姜哲求(カン・チョルグ)理事は
「1回の給油で1000キロを走行できる夢のガソリン車は、すでに現実のものとなった」
と話す。

■ディーゼル車では1000キロ超えが大勢

ディーゼル車市場では、1回の給油で1000キロを走行できる車が主流となっている。
特にディーゼルエンジンが発達している欧州製は、軽く 1200キロを超えてしまう。フランスのプジョー「308 MCP」は燃費が21.2キロで、最大走行距離は約1272キロに上る。
ソウルから釜山を往復し、もう一度釜山まで行けるほどの高燃費を誇る。

また、ドイツのフォルクスワーゲン「ジェッタ1.6 TDI ブルーモーション」は燃費が22.2キロで、1回の給油で1221キロを走行できるほか、メルセデスベンツが最近発売した「E220 CDI」も燃費が15.1キロで、1回の給油で1208キロを走行する。
国産車の中では、韓国GMの「シボレー・クルーズ 2.0」(手動変速機/1140キロ)、「オーランド 2.0」(手動変速機/1113キロ)、双竜自の「コランドC」(1000キロ)、現代・起亜自の「アクセント 1.6 ディーゼル」(手動変速機/1010キロ)、「ソウル 1.6 ディーゼル」(手動変速機/840キロ)などがソウルから釜山までの往復が可能だ。

■燃費を考慮した運転習慣

燃費については、車の性能だけではなく、ドライバーの運転習慣も大きな影響を及ぼす。
現代・起亜自が5月13日に一山で実施した「K5・ハイブリッド」の試乗イベントでも、運転の際の正しい習慣がどれほど重要かが実証された。
「K5・ハイブリッド」の公認燃費は21.7キロだが、試乗した車の中には25.8キロをマークするものもあった。
この日の試乗イベントに参加した33台のうち、実に25台が公認燃費よりも高い燃費を記録した。

また、韓国GMも最近「ジェントラ」のハッチバックモデルを対象に「燃費王選抜大会」を開催した。
その結果「ジェントラ 1.2」の手動変速機モデルの公認燃費は17.5キロだが、1リットル当たり30キロをマークした参加者が優勝したとのことだ。

交通安全公団・自動車性能研究所のパク・ヨンソン博士は
「実際の燃費は公認燃費はもちろん、運転習慣によっても大きく変動する。
燃費がいい車で、ドライバーが定速走行など正しい運転習慣を心掛けるなら、ソウルから釜山までの往復が可能な車種は今後さらに増える」
と説明した。




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