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● 朝鮮日報より
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/07/26 10:30:24
http://www.chosunonline.com/news/20110726000037
KTX:重要部品の交換周期を先延ばしに
仏アルストム社の提示した交換周期を守らず
仏より悪い運行条件でも、ブレーキなどの交換を延期
予算上の理由で整備契約も放棄
韓国高速鉄道(KTX)の関係者は
「韓国では、中国のような事故は決して起こり得ない」
と語っている。
しかしKTXは、今年だけでも大小30-40件の故障を起こし、韓国国民の不安は小さくない。
こうした中、韓国鉄道公社(KORAIL)が2010年から、KTXの重要部品の交換周期を、フランスのメーカーが提示した基準より延ばす案を進めていたことが25日までに分かった。
■189の部品のうち、約80種類の交換周期を延長
国会の国土海洋委員会に所属する趙源震(チョ・ウォンジン)議員(ハンナラ党)に、KORAILが最近提出した資料によると、KTXのメーカーであるフランスのアルストム社は04年、KTXの開通とともに、189種類の部品の交換周期といえる「TBO周期」を提示した。
TBO周期とは、一定の距離や時間が経過したら装置を分解して必要な部品は交換(オーバーホール)する基準で、部品の交換周期に当たる。
アルストム社のTBO周期は、フランスの高速鉄道TGVの運行経験を基に算出されたものだ。
部品の交換周期をめぐりKORAILは10年から、内部の整備専門家の意見を基に、189種類の主要部品のうち約80種類について、TBO周期の延長を内部で推進してきた。
例えば、ブレーキ関連の部品45種類のうち37種類について、TBO周期を6年から10年に、または12年から15年に伸ばした。
これについてKORAILは「アルストム社が提示した基準は、KTX運行時の参考事項であって、KTXのTBO周期は韓国の運行環境に合わせて調整できる」と趙議員側に説明した。
しかし国土海洋部(省に相当)の関係者は
「韓国には、橋、トンネル、山が多く、運行条件はフランスに比べて悪い。
にもかかわらず部品の交換周期をフランスより長く見積もろうとするのは問題がある」
と語った。
趙議員は
「韓国の高速鉄道は歴史が浅い上、KORAILに所属する重装備専門の関係者に判断を任せたのでは信頼性に欠ける」
と指摘した。
■交換周期が守られない部品も
04年に開通したKTXは、06年から各部品の交換時期が到来し始めた。
アルストム社が提示したTBO周期に従い、一定の期間が経過した部品38 種類の交換が現在進められているが、そのうち20種類の部品について、交換実績が低いことが判明した。
中でも今年5月に天安・牙山駅でトラブルを起こしたけん引電動機(TBO周期250万キロ)は、552台のうち交換が済んだのは432台。
連結装置に使われる中間連結器(TBO周期300万キロ)は、92 基のうち1基も交換されていなかった。
趙議員は
「老朽化した部品が相当数そのまま使用されており、KTXで故障・事故が続出する可能性もある」
と語った。
また、昨年3月に運行を開始したKTX山川(サンチョン)=韓国で開発された新型車両=の場合、メーカーの現代ロテムが、
TBO周期はもちろん管理対象の品目すらまだ提示していないという。
KORAILは、TBO周期が到来した06年、アルストム社と整備契約を締結する予定だったが、予算上の理由から放棄した。
こうした事情を考慮すると、KORAILが部品の交換周期延長を推進したのも、結局は経費節減という観点からではないのかという指摘が出ている。
昨年10月、KORAILの当期純利益は3808億ウォン(現在のレートで約283億円、以下同じ)だったが、竜山駅一帯の開発事業に伴う敷地売却益などを除いた営業利益は、5287 億ウォン(約392億円)の赤字だった。KORAILは05年から、営業面で毎年5000-7000億ウォン(約371-519億円)の赤字を計上している。
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2011年07月27日09時21分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/204/142204.html?servcode=400§code=430
部品交換時期を遅らせたKTX
…「来年上半期まで故障続くかも」
中国高速鉄道事故を受け、時速300キロで走るKTXに対する安全性問題がまた浮上している。
KTXは04年の開通後、年間20余件だった事故が、昨年53件に急増したのに続き、今年はすでに38件発生している。
こうした状況でキム・ギファンKTX安全強化対策点検班長は26日、
「来年上半期まではずっと故障が起こるしかない」
と述べた。
24日に韓国鉄道公社(KORAIL)に対し、来年上半期までに故障原因部品の交換を指示した国土海洋部イ・グァンヒ鉄道技術安全課長は
「部品を一斉に交換するのは難しいため、来年上半期までは故障が続く可能性がある」
という立場だ。
「7ミリボルト」一つを締めずKTX列車が脱線した今年2月の光明(クァンミョン)駅事故を経験した乗客は
「命をかけて乗れということか」
と心配している。
今年に入ってKTX事故が頻発しているのは、
フランスから導入して04年から運行しているKTX1の場合、使用10年が超えて老朽化し、
運行2年目の国産KTX山川の場合は品質が不安定
だからだ。
KTXは開通元年の04年に最も多い81件の事故を起こした。
その後は毎年減少し、20余件まで減った。
こうした中、昨年3月に国産技術で開発したKTX山川が投入され、53件に増えた。
53件のうち28件が山川で発生した。
しかしKORAILは安全対策を強化するどころか、部品交換時期を遅らせ、検修周期を緩和する処方策を出している。
09年3月に就任した許准栄(ホ・ジュンヨン)KORAIL社長は350キロを走行する度に実施したKTXの日常検修周期を昨年から5000キロ以上に延長した。
またKTXの主要部品180余点のうち80余点の交換時期を延長する案を推進中だ。
「KTX開通後7年間の運営経験を基礎に先進国レベルに合わせて調整する」というのがKORAILのイム・ソクギュ広報処長の釈明だ。
しかし鉄道専門家らは
「KTXは橋梁・トンネル・山などを何度も通過するなど運行条件が良くないのに、フランスや日本など鉄道先進国に合わせて部品交換や検修周期を調整するのは問題」
と指摘した。
日本とドイツは高速鉄道の運営経験がそれぞれ47年と20年にのぼる。
現代(ヒョンデ)ロテムが90%以上を国産化して製作したKTX山川の品質問題も提起されている。
特にKTX山川が起こした50件の事故のうち最も多いのがモーターブロックに起因する。
17日にファンアクトンネルと釜山(プサン)駅でKTXが止まったのもモーターブロックの故障が原因だった。
モーターブロックは列車が動くよう電気量を調節する一種の変電所の役割をする核心装置。
しかしKTX山川に搭載されたモーターブロックは故障が頻発し、その正確な原因も把握できていない。
KTX山川に搭載されるモーターブロックは現代重工業が独占生産している。
ソウル産業大鉄道専門大学院のイ・ヒソン教授は
「モーターブロックを国産化したというが、故障が頻発しているのをみると、本当に技術を確保したのか疑問を感じる」
と述べた。
整備レベルの向上も至急課題に挙げられる。
KORAIL側はKTXが止まる度に
「正確な事故原因の究明には時間がかかる」
という言葉を繰り返した。
鉄道技術研究院の関係者は
「高速鉄道の事故原因は複雑で、問題点を正確に確認するのは容易でない」
と話した。
しかしKORAIL労使は整備レベルの向上を後回しにしてリストラばかり考えている。
KORAIL労組のイ・ヨンイク委員長は
「事故が頻発するのは警察庁長出身の許社長が、組織整理を理由に整備・線路・信号など核心人材5500人のリストラを強行したため」
と主張した。
一方、KORAIL側は
「整備人材は許社長の就任後むしろ119人増えている」
と反論した。
鉄道技術研究院の関係者は
「高速鉄道の核心技術の電気・電子制御の専門家を養成する必要がある」
とし
「以前のように拭いて締めて油を差す整備人員の数をめぐって争ったところでKTXの安全を確保することはできない」
と述べた。
KORAILを監督する国土部の立場もあいまいだ。
国土部はKTXの光明駅脱線事故後、航空機レベルの整備体系を構築するとして46件の推進課題を出した。
その後も事故が減らないため、24日、186億ウォン(約14億円)を投入して主要部品を早期に交換すると発表した。
しかし46件の課題は60%しか履行されず、部品交換費186億ウォンも確保できなかった。
韓国交通研究院のキム・ヨンギュ博士は
「車両運行スケジュールに比べて車両が不足し、時間がかかる総合点検や整備を十分にする余裕がないのが現実」
とし
「運行スケジュールを一部減らし、車両に対する集中点検を実施する必要がある」
と述べた。
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