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● 朝鮮日報
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/07/26 10:04:43
http://www.chosunonline.com/news/20110726000029
中国列車事故:常識外の事故、何かを隠蔽か
韓国の専門家の見方
中国の高速鉄道で23日に起きた事故について
「運転士や指令所が職務を怠った上、システムまで完全に故障したのでない限り、起きるはずがない異例の事故だ。
常識では説明できない」
と語った。
■システムと緊急対応にいずれも問題
ソウル科技大鉄道専門大学院のク・ジョンソ教授は
「国によって違いはあるだろうが、高速鉄道はもともと高速で移動するため、前後約6キロに他の列車がいれば自動的に停止するように設計されている。
そうした装置が正常に作動していれば、発生することはない事故だ」
と指摘した。
さらに、運転士や運転管理者が列車の緊急停止時になすべき対応を全く取っていなかったと推定される。
交通研究院のイ・ジェフン鉄道研究室長は
「列車が止まれば、運転士が指令所に状況を報告し、万一列車が動かなければ、携帯電話を使ってでも状況を知らせなければならないが、そうした措置が全く取られていなかったようだ」
と語った。
指令所の運転管理にも理解できない点が多い。
中央指令所は高速列車の運転状況をリアルタイムでチェックしており、万一列車が突然停止した場合には、全ての列車に停車指令が下される。
今回のように後続列車の運転士が何の情報もないままに25分間も走り続けたとすれば、指令所がいかなる措置も取らなかったか、運転士がそれを無視して走り続けたかのどちらかということになる。
万一、落雷の瞬間電気系統が全て失われ、画面から列車が消え、位置の把握ができなくなったとすれば、指令所は全ての列車の運転を止め、直ちに原因を把握しなければならない。
しかし、そうした措置は取られなかったようだ。
韓国国土海洋部(省に相当)によると、韓国の高速鉄道KTXの場合、列車の前後に連結された機関車の屋根に避雷針があり、落雷があっても、電流をレールに逃がす仕組みになっているという。
現地の専門家も、事故原因が雷ではなく、自動事故防止システムの故障や運転指令のミスではないかと主張している。
新京報は
「自動事故防止システムが雷で故障した可能性は極めて低い」
と指摘。
同済大の孫章・鉄道都市軌道交通研究院教授は
「技術、管理上の欠陥か人為的ミスが今回の事故の主因だ」
と語った。
■構造的欠陥を隠蔽(いんぺい)か
一部の専門家は、中国が国威発揚のため、野心的に建設した高速鉄道の車両そのものに致命的な欠陥があることを隠すため、故意に別の事故原因を発表したのではないかと疑問を呈している。
鉄道技術研究院のキム・ギファン高速鉄道研究センター長は
「中国政府が何か構造的な欠陥を隠しているのではないか」
と語った。
国土海洋部関係者は
「米国、ブラジルなどに高速鉄道の輸出を計画している中国が事故自体の規模を小さく見せようとした可能性がある」
と分析した。
中国は現在、米国、ロシア、ブラジルなどが建設を計画している高速鉄道の受注を目指している。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/07/26 10:01:20
http://www.chosunonline.com/news/20110726000028
中国列車事故:早期幕引き図る鉄道当局
生存者確認せず
中国浙江省温州市で23日に起きた高速鉄道列車追突事故の現場で、事故発生から21時間後の24日午後5時20分、2歳の女児が救助された。
女児は生命には別状がないものの重傷を負い、左足を切断する可能性もあるという。
中国鉄道省は24日昼、行方不明者が少なくないにもかかわらず救助活動の打ち切りを宣言。
現場の整理に取り掛かり、高架橋から落下した車両4両を撤去した。
また、つぶれた状態で高架橋にとどまっていた車両2両を分解し、撤去する際に子どもの泣き声を聞き、女児を救出したと、チャイナ・デーリーが25日に報じた。
両親は事故で死亡しており、女児が病院で泣きながら父親を探す様子は周囲の涙を誘った。
中国メディアは女児の救出を「生命の奇跡」と喜びながらも、基本的な安全システムさえ作動せず、大きな惨事を招いただけでなく、中国鉄道省が性急な「幕引き」を図り、一つの貴い生命を失うところだったと、複雑な思いを隠し切れずにいる。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/07/26 10:05:41
http://www.chosunonline.com/news/20110726000031
中国列車事故:死者リスト公表されず、情報に食い違い
中国で23日に起きた高速鉄道事故の処理過程で露見した中国政府の危機管理能力が国内外から非難を浴びている。
中国鉄道省は事故の発生時刻、経緯、被害規模などに関する説明を次々と変えた。
事故から3日目の25日までに正確な死者リストも公表できずにいる。
国営新華社通信は同日、地元温州市当局の話として、今回の事故で39 人が死亡、192人が負傷したと報じたが、メディアによって死者数に差がある。
中国の世論ですら「世界最高レベルの高速鉄道保有国」を自負してきた政府に対し、怒りと失望を禁じ得ない様子だ。
中国紙光明日報(電子版)は25 日の評論で
「世界最高レベルの技術を確保し、特許申請も可能だというが、なぜ毎年落雷事故が頻発し、高速鉄道の運転が混乱するのか。
鉄道省がいう最高の技術とは、いったいどこにあるのか」
と皮肉った。
環球時報は社説で
「事故そのものも深刻だが、国民が受けた心理的なショックもそれに劣らず大きい。
速度の奇跡ばかり追求してはならない」
と書いた。
特に、当局が捜索を早々に打ち切り、24日に事故車両を強引に撤去した際、2歳女児が救出されたことについて、事故処理の在り方に対する批判が高まっている。
日本のメディアは中国政府が事故の発生初期から隠ぺいを図っていたと報じた。
中国政府が後続列車に追突された先行列車の車両を破壊し、地中に埋めたのは、事故原因を隠ぺいするためであり、何かが隠すために、メディアの独自取材が禁じられたとの見方だ。
これに対し、中国政府は
「残がいを運び出すことができないため、重機で壊した。
事故処理と運転再開のため、やむを得ず残がいを埋めた」
と説明した。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/07/26 10:25:28
http://www.chosunonline.com/news/20110726000033
中国列車事故:スピードオーバーの後遺症
「日本の新幹線は時速240キロを40年間経験した上で、速度を340キロに引き上げた。
しかし、中国は一気に300キロを目指した。その焦りが生んだ悲劇だ」
中国で起きた高速鉄道追突事故から3日目となった25日、ある在米中国人がミニブログにそう書き込んだ。
■世界最高の技術で落雷事故?
中国国内では「あきれた高速鉄道事故」だとの声が高まっている。
先行列車が25分間も停車していたのに、自動事故防止システムが作動しなかっただけでなく、指令所が何の措置も取らないなど話にならないとの批判だ。
共産党機関紙、光明日報(電子版)は25日
「世界最高レベルの技術を確保したというが、なぜ毎年落雷事故が頻発し、高速鉄道の運転が混乱するのか。
鉄道省がいう最高の技術とは、いったいどこにあるのか」
と問い掛けた。
中国の内外では、今回の事故について、世界2位の経済大国に浮上した中国が「世界一」にこだわった結果生まれた悲劇だとの見方がある。
中国は 2004年から独シーメンス、日本の川崎重工などと提携し、高速鉄道の開発に着手、わずか3年で初期段階の高速鉄道となる最高時速200キロの準高速列車(通称・動車組)を導入した。
08年には北京-天津間を時速350キロで結ぶ高速鉄道を開通させ、本格的な鉄道高速化時代に突入。
09年には武漢-広州間が開通し、速度を時速 394キロまで引き上げ、「世界最高」だと自慢した。
今月1日には、高速鉄道としては世界最長となる北京-上海間の路線が開通したばかりだった。
■「世界一」への執着
世界一への執着と裏腹に安全は後回しだった。
欧州や日本の専門家は、無理な高速化に相次いで警告を発したが、中国側は
「中国の高速鉄道の発展をねたんでの発言だ」
とそれを一蹴(いっしゅう)した。
先進国が時速400-500キロの高速鉄道を開発しながら、安全性や採算性を考慮し、時速300キロ前後で運転している点にも知らんぷりを決め込んだ。
世界一への執着は鉄道だけでなない。
ロンドンが150年かけて建設した地下鉄網(439キロ)を、上海はわずか15年で建設した。
世界の高層建築上位10位のうち五つが中国にある。
北京は短い間に高層ビルが立ち並ぶ現代的な大都会へと変身したが、北京郊外の農村部には上下水道すらないところが多いのが現実だ。
香港紙大公報は昨年7月の評論で
「時間の観念がなかった中国人が、今では世界で最もせっかちで我慢できない地球人になった」
と書いた。
英ノッティンガム大現代中国研究所の姚樹潔所長は24日
「今の中国は爆発的に膨らんでいるが、発展の質は大きく遅れており、世界最大の成金のようなものだ」
とブログで評した。
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/07/26 10:06:53
http://www.chosunonline.com/news/20110726000032
中国列車事故:劉志軍・前鉄道相の遺産
● 劉志軍・前鉄道相
中国で23日に起きた高速鉄道事故をめぐり、中国国内では「劉志軍の遺産」という言葉がささやかれている。
劉志軍氏(58)は中国の前鉄道相で、今年2月に総額100億元(約1210億円)に上る汚職に関与したとして辞任し、取り調べを受けている。
劉前鉄道相は、2003年から今年初めまでの在任中、中国の高速鉄道建設を強力に推進した人物だ。
在任中の8年間に中国は1万8000キロに及ぶ鉄道網を建設し、このうち7500キロが高速鉄道だ。
中国鉄道省による 2009年の投資額は7000億元(約8兆4900億円)で、中国の国防予算よりも多かった。
そのおかげで、中国は世界最大の高速鉄道国家へと浮上できた。
08年からは高速鉄道の国産化とスピード競争を本格化し、世界最高速度に挑戦した。
09年に開通した武漢-広州間の路線では、最高時速394キロを記録した。
しかし、そうした記録は虚像だった。
鉄道省元幹部は先月
「中国の高速鉄道が世界最高だというが、時速350-394キロという速度は、日独から時速300キロで契約して導入した技術を使い、安全を無視して引き上げた数字だ」
と暴露した。
劉前鉄道相は、在任中の鉄道事故で何度も失脚の危機を迎えたが、高速鉄道を世界レベルに引き上げた功労で地位を守った。
カネを稼ぎ出すことにもたけており、鉄道建設をめぐり、下請け企業から巨額の賄賂を受け取っていた。
愛人が16人もいたことも明らかになっている。
中国政府は劉前鉄道相の後任に盛光祖氏を任命した。
盛鉄道相は就任直後、高速鉄道の安全性を考慮し、最高速度を300キロに引き下げるとともに、建設費も大幅に削減する措置を取った。
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ひまつぶし検索
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